「しくみとものづくりの学校」のねらい 1

「しくみとものづくりの学校」の開校には様々なねらいがあります。
たくさんありますので、順次記していきますが、このねらいの中で大きなものの一つに「小学校におけるプログラミング教育」があります。

小学校でのプログラミング教育の開始

2020年度から小学校でプログラミング教育が本格的に始まります。

すでに一部の小学校では、検証などもかねて始めている学校もあるようです。また、これに呼応して、一の学習塾や民間の教育機関などでも「プログラミング教室」が開講されているようで、私の地元の子供つながりのお母さんたち情報によると、ところによってもう定員が埋まっているとも聞きます。

「プログラミング教育」という事を表だって取れば、IT業界の「プログラマ」や「システムエンジニア」といった職種になり、IT業界では人材がとても不足している事実もありますので、それに対応するために小学校からプログラマ、ITエンジニアを養成しようとしているのか、と思うかもしれませんが、そういうことでは無いようです(少しはあるようですが)。

学習指導要領など、文部科学省の指針の中身を紐解きだすと膨大になりますので端折りますが、小学校で身につけて貰おうとしているのは、直接的な情報機器の利活用以外に「プログラミング的思考」があるようです。

「プログラミング的思考」とは?

この「プログラミング的思考」とは、これも端折ると「しくみを知って、手順を示すことによって、思い通りの動作や結果を得るための考え方」ということだろうな、ととらえることが出来るかと思います。

コンピュータ、スマホやパソコン、ゲーム機など、情報機器では、この「手順を示す」ためのものが「プログラム」で、そのプログラムを作成する手順が「プログラミング」です。コンピュータを目的通りに利用するためにはこの作業を自分で行うか、誰かが作ったものを利用させてもらうことが必要で、パソコンのWindowsやワードやエクセル、スマホで言えばIOSやAndroid、アプリなどはすべて、この「プログラム」で作ったものです。つまりソフトウェアですね。

この「プログラミング的思考」の要請を、情報機器を使って取り組もうというのがプログラミング教育のようですが、長くIT業界から世の中を見ている身からすると、そんなにうまくいくのかなあと思っています。
おそらく様々な理由で、うまくいくかどうかは、両極に分かれるんじゃないかな、と思っています。それは、学校や生活の中の教育環境にもありますし、子供たちの資質や素養にも、そして先生たち、親御さんたちにも。

プログラミング的思考はITだけではない。

この「しくみを知って手順を示す」ということは、コンピュータの世界に限ったことではありません。コンピュータはもちろんですが、メカニズムのあるものには間違いなく「しくみ」があります。石のような単純なかたまりでなければ、たとえばリカちゃん人形だって手足が動きますから「しくみ」があります。そして世の中を広く見渡せば、そこらじゅうにしくみは存在している。社会制度やルールだって「しくみ」の一つです。

であれば、無理して敷居の高いコンピュータにいきなり行くのではなく、まずはそういった、すでに世の中にある、IT以外の身近なしくみから入ればいいんじゃないか、そこから「メカニズム」や「システム」を理解、体験した上でコンピュータプログラミングに進めばいいのではないか、と考えたのです。

「ものづくり」でプログラミング的思考を養う。

これを体感的に習得するためには、工作や料理といった、「レガシー」な、実際のものづくりをやってみるのが一番手っ取り早い。

学校の授業がこれに十分対応していればいいですが、どうやら工作や料理は準備や作業に時間や手間がかかりますから対応しにくいようで、あまり充実していないようにも感じます。工作などもキットのような、手間のかからない、失敗しにくいものが多いようです。

これを学校に要求するのはおそらく難しいと思いますので、であれば、自身でそこを補完する取り組みをしよう、というのがこの学校を始めようと思ったきっかけの一つです。

工作や料理を科学的にアプローチする。

たとえば、お菓子の空き箱を使って、走るクルマを作ろうとすると、クルマのしくみ、走るしくみを知る必要があります。そして、どういうメカニズムにするかを考え、実際に道具を使って切ったり穴をあけたり貼ったりする必要があります。

料理であれば、例えばクッキーを作るためには、必要な材料と分量を知らなければならず、それを手順に沿って調理しなければなりません。そして料理は、「見た目でおいしそうか」、「自分が食べて実際においしいか」、「他人が食べてもおいしいと言ってくれるか」という、感性に訴える部分がある。どんなに材料を正確に計って手順通りに作ったとしても、ここがダメだと失敗です。なので工作よりも、もう一歩奥深い。

これらを「科学的」「工学的」にアプローチしていけば、「システム思考」「プログラミング思考」は自然に身につくのではないか、そして、プログラムと違って、現物が目の前にありますから、より実感できる。

この「ものづくりを科学的にアプローチしてプログラミング思考を養う」ことが、「しくみとものづくりの学校」の、大きなねらいの一つです。

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